見積もりの注意点を守れば外壁塗装の工事費用が安くなる

家の新築から10年近く経過すれば、外壁塗装は避けては通れません。しかし、初めての塗り替えでは不明な点も多く、見積もり金額や工事項目が適正なものか判断しにくいのが現状です。
そこで、事前に見積書の見方やチェックポイントを理解しておくことをお勧めします。単に見積書に対する理解が深まるばかりではなく、工事費用が安くなる、トラブル防止になるなどのメリットがあります。
ここでは、見積書の見方やチェックポイント、相見積もりで工事費用を安くする方法などについてご紹介します。

見積書を理解すればメリットがたくさん

外壁塗装工事の見積書の形式に決まりはありません。ですので、細かくてわかりやすい見積書もあれば、おおざっぱで工事内容が不明瞭な見積書もあります。
見積書は、業者が使用する材料の種類や価格を明確にするだけの書類ではありません。見積書の見方を理解することで、次の3つのメリットを得ることができます。

メリット1:工事中・工場後のトラブル防止になる

口約束ではなく、工事内容や金額を書面にすることでトラブルが起きるのを防ぐことができます。
また、万が一不具合が起きても、見積書に記載されている施工内容がきちんと行われていない場合は、業者に対応を求めることが可能です。

メリット2:不要な工事を省き、工事費用を安くする

できるだけ詳しく書かれた見積もりを出してもらい、他の業者の見積書と比較することで、必要のない工事が見えてきます。不要な工事を省くことで工事費用を安くすることが可能ですので、見積書の内訳をしっかりと把握しましょう。

メリット3:見積もり金額が適正か判断できる

大ざっぱな見積もりではなく、細分化された見積書を出してもらえば、塗装工事の相場から大きく離れていないか判断することができます。
ただし、相場から離れすぎているからといって悪徳業者だとは限りません。例えば、隣家との距離が狭く、作業に支障がある場合や道路が狭くて作業車が入れない場合などがあります。金額に疑問があれば、業者に説明を求めることが大切です。

以上のことからわかるように、できるだけ相見積もりで複数の業者から見積もりを取り比較して検討することをおすすめします。
また、見積書は細かくわかりやすく書いてもらうと失敗がありません。一度目の見積書でわかりにくい場合は、詳細を教えて欲しいと連絡して見積書を書き直してもらいましょう。

外壁塗装の見積書の項目と相場

一般的に見積書の内訳は、以下のような構成になっています。
もちろん建物や劣化の具合、雨漏り修理工事や付帯塗装工事などの有無により多少異なりますが、基本的にはこのような構成です。

・足場代:仮設足場と飛散防止ネットの設置をまとめて表記する場合があります
・養生代:塗料の飛散防止のため、窓や車などにマスキングテープやビニールを施します
・高圧洗浄代:屋根や外壁にこびりついたコケやホコリなどの汚れを取り除きます
・塗装作業代:屋根、外壁、シーリング、付帯塗装、ベランダ防水工事などです

【重要】外壁塗装の見積書、3つの注意点

注意点1:使用する塗料やメーカー名は?

現在一番人気の塗料は、シリコン塗料です。塗り替え市場の8割はシリコングレードの塗料が使用されています。
だからといって「外壁塗装 シリコン仕様」と記載されていれば安心だとは限りません。
実は、ここに大きな罠があるのです。同じシリコン系の塗料といってもさまざまな商品があり、品質に差があります。一般的なシリコン塗料は耐久年数が10~15年ですが、一部の商品には7年程度のものもあるので注意が必要です。
「〇〇ペイント △△シリコン」というように、メーカー名と商品名を明記してもらうことが重要です。

また、悪徳業者の中には「シリコン系のオリジナル塗料」なるものを勧める業者もいます。日本の三大メーカー(日本ペイント、関西ペイント、エスケー化研)だけでなく、他にもさまざまな塗料メーカーが存在しますが、できるだけ名の知れたメーカーの塗料を使っている業者に依頼するのが安心です。
塗料の詳細はメーカーのホームページで閲覧することができるので、耐用年数や相場を確認しておきましょう。

以上のことから、使用するメーカーや塗料名がきちんと見積書に記入されているか確認することが大切です。
塗装の工程である下塗りや上塗りごとに塗料が異なるので、工程ごとに明記してもらう必要があります。

注意点2:外壁・屋根の塗装回数は「3回塗り」か?

見積書は材料や値段だけでなく、工事工程も確認できます。
外壁塗装工事は一度塗るだけでなく、「3回塗り」が基本です。重ね塗りをすることで塗膜の厚みが増し、外壁を守る役割が果たせるのです。

最初に既存塗膜との接着材の役割を果たす「下塗り」を行い、その上から「中塗り」や「上塗り」を行います。業者によってはそれ以上の回数を塗ることもありますが、減ることはありません。
いくら高価で長持ちのする良い塗料を使ったとしても、正しい工事を行わなければ塗料本来の性能を発揮することはできません。当然、剥がれるのも早くなります。
残念ながら、手抜き工事で塗装回数を減らす業者も存在します。見積書に塗装回数を明記していなければ、たとえ2回塗りでも文句をつけることができません。
必ず見積書に「3回塗り」の工程が明記されていることを確認しておきましょう。

注意点3:下地処理で行う工事内容は?

外壁塗装工事の工程の中でも、最も重要だと言われるのが下地処理です。塗装する前に、高圧洗浄やヒビの補修などで塗装面の状態を整える作業です。
下地処理の種類はさまざまで、高圧洗浄やシーリング作業、金属部分のケレン作業(サビ取り)、さらに左官作業や大工工事などの技術力を伴うものまでさまざまです。
どんなに高級な塗料で塗装しても、この工程で手を抜くと外観の美しさや耐久性を保つことはできません。必ず下地処理の工事内容を見積書に明記してもらいましょう。

ダメな見積書の例

値段が空欄

悪徳業者の中には「近くで工事をしているから足場代は無料」などとうたい、契約を結ぼうとする業者がいます。見積書にある足場工事の値段は空欄になっており、「工事料金に含まれる」と説明されます。
見積もり金額の安さに魅せられてつい契約してしまうと、工事終了後に「足場代は別料金」だと言われ、追加請求されることもあります。
足場代に限らず、空欄や口約束は避けましょう。「工事費に含む」などと明記してもらう必要があります。

坪単価で計算

通常、見積もり金額は図面または実測から塗装面積を出して算定します。大まかな見積もり金額を出す場合に坪単価を用いて説明することはありますが、本格的な見積書に坪単価で表記されることはありません。
というのも、窓の数や大きさ、軒裏の大きさなど建物の形状により、同じ延べ床面積でも塗装面積が異なるからです。
しかし、中には正確な塗装面積を出さないで見積書を作成する、いい加減な業者がいます。
正確な面積を出さなければ、途中で塗料が不足する可能性があります。本来は3回塗る必要があるのに、2回しか塗らないという手抜き工事になりかねません。
前述の通り、塗装回数の不足は劣化のスピードを早めてしまいます。塗装面積が曖昧な見積もりをもらったら、注意が必要です。

キャンペーン特別値引き

キャンペーンはどの業界でも使われますが、外壁塗装の業界でよく行われるのは元の価格を相場よりも高めに設定し、値引きと称して割安感を持たせて契約を誘う商法です。
本来、見積もり金額が適正であれば大胆な値引きは不可能なはずです。
納得のできるキャンペーンならよいのですが、20万円以上の大きな値引きは「もとの見積もり金額が高かったのかもしれない」と考えるようにしましょう。

工事内容の詳細のない「〇〇一式」

前述の通り、見積書は詳細を記入してある方が検討しやすくなりますが、業者によっては「決められた書式の見積書しか作成できない」と言う場合もあります。
しかし、だからといって、外壁塗装工事の内容について詳細な説明をしなくてもよい理由にはなりません。
見積もりの明細が出せないのであれば、図面や仕様書などに工事内容を明示してもらい、説明を求めることが大切です。
一方的な都合によりこちらの要望に応じてくれない業者は、工事中や工事後にトラブルが発生しても対応が十分にされない可能性があるので注意が必要です。

付帯部分に関する記述がない

外壁塗装工事のトラブルで多いのが、付帯部分の追加工事です。雨戸やシャッター、庇、破風板、雨樋、換気フード、窓枠、幕板などが付帯部分と呼ばれます。
塗装業者との認識の違いなどにより付帯部分の塗装箇所のトラブルが起きやすいので、見積もりの時点で塗る場所、塗らない場所を確認しておく必要があります。

「工期」が長すぎる、短すぎる

一般的に工期は外壁塗装のみで約2週間、屋根塗装を含めると3週間程度かかる場合もあります。
あまりにも短い、または長い工期の場合注意が必要です。短すぎる場合は塗装の乾燥時間を省くなどの手抜き工事が予想され、長すぎる場合は職人の手配ができない、追加工事が多いなどの可能性があるからです。

相見積もりで業者を決めるポイント

「見積もり1社のみ」はトラブルのもと

住宅専門の相談窓口、公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センターによると、2016年に受け付けたリフォーム相談のうち、相談者が見積書を取得した業者の数は1社のみが71%と最も高くなっています。
前述の通り、1社のみの見積もりでは相場がわかりにくく、必要のない工事項目が入っていても気がつきにくいので、トラブルが起きやすくなります。
住宅リフォーム・紛争処理支援センターでも、1社のみの見積もりより複数社から相見積もりを取り、トラブルを回避することを勧めています。インターネットの一括見積もりなら手間なく複数社から見積もりを取ることができるので、上手に利用しましょう。

相見積もりで工事費用を安くする、3ステップ

見積書は業者により記載方法が異なるので、相見積りの場合比較するのが難しい場合があります。見積もり総額だけで比べては、いくら一番安く見えてもかえって損をすることがあるので注意が必要です。
ここでは相見積もりで工事費用を安くするための流れをお伝えしますが、ステップ1に入る前に、前述のような「3回塗り」でない業者、坪単価で計算する業者などは悪徳業者の可能性があるので排除することを検討しておきましょう。

ステップ1:見積書の比較表を作成

外壁塗装の工事費用を安くするには、まず見積書の項目を揃えて比較表を作成してみるとわかりやすくなります。前述したように、(1)足場代、(2)養生代、(3)高圧洗浄代、(4)塗装作業代の4つに分けて比べます。
項目を統一して表にすると、業者によって見積りの項目や金額に差があることが明確になります。

ステップ2:工事範囲や工事内容、仕様を決める

次に、各社の見積もりを比較して工事範囲や工事内容、仕様などをよく検討します。特に、耐用年数や工事費用に大きな影響を及ぼすのが塗料の種類ですので、まず塗料の種類を決めることが大切です。塗料の種類や工事内容などは、業者に説明を求めると決めやすくなります。

ステップ3:同じ条件で再度見積もりを

各社同じ条件で再度見積りを依頼しましょう。比較しやすくなるばかりか、限界まで見積もり金額を安くすることが可能です。

まとめ

外壁塗装の見積書の見方や注意点は、ご理解いただけましたでしょうか。
見積もりのポイントを確認するだけで業者の良し悪しがある程度わかるので、安心して外壁塗装工事を行うことができます。
また、地元で優良業者だと有名な会社があればいいのですが、そうでなければインターネットなどを活用して複数社に相見積もりを取ることをお勧めします。相見積もりの見方を工夫するだけで工事費用が安くなりますので、ぜひご活用ください。
最後に、見積書に記載されている内容と実際の施工内容に違いがないか、確認しておくことも大切です。

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