サイディングは塗装か張り替えか?費用の相場と注意点

従来、日本の住宅ではモルタル塗りがほとんどでしたが、近年はパネル壁材のサイディングボードが主流となってきました。

サイディング外壁の塗り替えを検討するうえで、「どのようなリフォームのやり方があるのか?」「費用はどのくらいかかるのか?」「なるべく安くするには?」などというお悩みをお持ちの方も多いと思います。

ここでは、サイディングの種類や特徴、さらに塗装や張り替えなどのリフォームの方法や費用について詳しくご紹介していきます。サイディングの外壁塗装をお考えの方はぜひ参考にしてください。

サイディングとは

サイディングとはどのような外壁かご存知でしょうか。サイディングボードの略称で、一般的にはサイズの決まったパネル外壁材のことを指します。
従来はモルタルなどを塗って外壁にしていましたが、板状のパネルを張り付けて外壁にするサイディング外壁が主流となっています。

サイディングが選ばれる理由

サイディングはモルタルに比べると施工の手間がかからないので工期を短縮することができ、コストが安いなどの理由から多くの人から新築の外壁として選ばれています。
また、カラーや柄などのデザイン性に優れ、通気工法にも適した外壁であるのも人気の理由の一つで、近年では外壁リフォームの際にモルタルからサイディングの外壁に変更する住宅も増えています。

主要なサイディングメーカー

サイディングメーカーは大小さまざまありますが、中でも代表的な3社は次の通りです。

・ニチハ株式会社
商品ラインナップが100種以上と豊富でデザイン性も高く、モエンシリーズなどの窯業系サイディングが好評です。

・旭トステム外装株式会社
バリエーションは少ないものの、多彩なデザインや色そして耐久性があるカーディナルのシリーズが人気です。

・ケイミュー株式会社(kmew)
商品が豊富で、一般地域用と寒冷地用のサイディングも用意。デザイン性も高いと評判です。

サイディングの種類と耐用年数

サイディングボードの種類は4種類あります。この中で一番人気なのが、窯業系(ようぎょうけい)サイディングで、新築の住宅の7~8割がこの窯業系サイディングを使用しています。

人気の理由は、デザインが豊富な点と、機能面において優れているからです。

窯業系サイディング 耐用年数:7~8年

外壁材においてNO.1のシェア率を誇ります。密度が高く硬質なため、耐震性や遮音性、防水性、防火性に優れているのが大きなメリットです。

また、色やデザインのバリエーションが豊富です。ただし、セメントなどが原料となるためパネル一枚の重量が大きく、建物に負荷がかかります。

金属系サイディング 耐用年数:10~15年

軽量で建物に負荷がかかりにくいため、リフォームに採用されることがあります。耐久性、耐震性、防水性に優れています。

断熱材が裏打ちされているものが多く、断熱性に優れた丈夫なサイディングボードだといえます。デザインは無機質な感じではなく、バリエーションも豊富です。

木質系サイディング 耐用年数:10年

天然木などを塗装しているため、木目の質感や味わいがありオシャレな建物になるとして人気です。ただし、材質が木であるがゆえに火や水には弱く、こまめなメンテナンスが必要です。

樹脂系サイディング 耐用年数:10~20年

塩化ビニル樹脂が使用されたサイディングです。ひび割れなどの劣化が起きにくいのが特徴ですが、日本での普及率はかなり低く、施工できる業者は少ないのが現状です。

サイディングの劣化の症状とは?

ここからは、住宅の外壁材におけるシェアの70~80%を占める窯業系サイディングについて詳しく見ていきます。

窯業系サイディングはモルタルと比べるとひび割れなどの劣化症状は起きにくく、目立たないのが特徴です。しかし、まったく劣化しないわけではありません。

メンテナンスのポイントは、シーリング(コーキング)や、住宅に合わせてカットしたサイディングボードの切断面・表面になります。

シーリングのひび割れや剥離

サイディング外壁において、最初に劣化するのは「シーリング(コーキング)」と呼ばれる部分です。シーリングには、サイディングボードや窓周りの隙間などをふさぎ、水の浸入を防ぐ役割があります。

ひび割れや破断、剥離などが起きたシーリング材は浸水する可能性があるので、早期の段階で補修などの処置を検討することが大切です。

サイディングのひび割れや反り

サイディングの基材は吸水性があり、防水機能は塗装によってできる塗膜で補っています。

したがって、塗膜の劣化を放置するとチョーキング(塗膜の表面が劣化し白い粉状のものができる現象)が発生するだけでなく、ボードの切断面や表面の経年劣化から浸水し、ひび割れや反りが生じることがあります。

リフォーム費用の相場とメリットデメリット

サイディングの外壁をリフォームする方法は、大きく分けて3種類あります。張り替え、塗り替え、シーリング工事ですが、費用や施工方法に大きな差があります。

※上記費用は一般的な2階建て住宅(30坪)の参考工事価格です。

「張り替え」費用の相場と特徴

一般的には、サイディングをリフォームする際に費用がもっとも高くなる方法が張り替えです。張り替えといっても2種類の施工方法があります。

(1)既存のサイディングを剥がし、新しいサイディングを張る方法
(2)既存のサイディングの上から重ね張りする方法

一般的な30坪の2階建て住宅で考えた場合、(1)の張り替えにはサイディングボードの材料費だけでなく、張り付け作業、出隅工事、胴縁工事、シーリング工事などの工事費用、古いボードの撤去費用などを含めて180~230万円程度の工事費用が必要です。

一方、(2)の重ね張りは(1)の施工方法よりコストを抑えることができ、相場は150~200万円程度です。ただし、既存のサイディングに反りや剥がれなどがあり劣化が著しい場合、重ね張りを行うのは難しいとされています。

塗装の場合シリコン塗料なら100万円前後で収まるので、塗装と比べると張り替えには2倍近くの費用がかかることになります。

「塗装」費用の相場と特徴

サイディングの劣化が進んでいなければ、張り替えをしなくても再塗装すれば防水機能をよみがえらせることができます。
費用面でも前述の通り、塗装は張り替えよりも安く済みます。

モルタルなどの外壁と比べると塗装費用は若干高くなりますが、30坪の一般的な二階建て住宅なら80~150万円が相場です。

ただし、塗装の場合、サイディングの種類によっては相性の良くない塗料があり、時間の経過にしたがって塗膜の膨れや剥がれが発生する場合があります。トラブルを防ぐためにも、塗料の知識やサイディング塗装の経験豊富な業者に依頼することが大切です。

「シーリング」工事費用の相場と特徴

シーリングの劣化の程度は、施工品質に左右されることが多く、シーリング厚が適正でなければ早期に劣化してしまうことがあります。

通常、シーリング工事は足場代などの節約のためサイディング外壁や屋根のリフォーム工事と同時に行うのが一般的です。

とはいえ、シーリングに破断や剥離などの大きな劣化症状が見られてもサイディングや屋根の塗膜には劣化症状が見られない場合、シーリングのみのリフォームを行う場合があります。

シーリング工事には次の2種類の方法があります。

(1)打ち増し
(2)打ち替え

(1)の打ち増しは既存のシーリングの上からシーリング材を充填する方法で、(2)は既存のシーリングを撤去して新しいシーリング材を充填する方法です。(1)は撤去費用が必要ないため若干安くなりますが、よほどシーリングの劣化状況が進んでいない場合を除き、打ち増しではなく打ち替えが行われます。

ただし、施工する箇所によっては打ち増しの方が適している場合があるので、事前に塗装業者に確認しておく必要があります。
また、シーリング工事の相場は、(1)の打ち増しなら12〜17万円程度、(2)の打ち替えなら15〜20万円程度です。※足場代を除く

塗り替えの際の注意点

「直貼り工法」なら塗り替えではなく、張り替え

サイディングの塗り替えで一番注意したいのが、住まいのサイディングが「通気工法」か「直張り工法」か、という点です。通気工法と直張り工法では外壁内部の構造が異なり、直張り工法の場合は、塗り替えではなく張り替えを行うのが一般的です。

通気工法

通気工法では、透湿防水シートの上に胴縁(どうぶち)を取り付けます。胴縁とは、サイディングボードを張り付けるために必要な幅の狭い下地材です。

胴縁を取り付けることにより壁面内部に通気層が設けられ、壁内の湿気を外部に放出することができます。

直張り工法

透湿防水シートの上に胴縁を取り付けずに、直接サイディングボードを張る工法です。通気工法のように通気層がないため、シーリングの隙間やサイディングのひび割れなどから浸水すると湿気が壁内部にたまりやすくなります。サイディングボードは水分を吸収しやすい性質のため塗膜にまで影響を及ぼし、膨れや剥がれが生じやすくなります。

サイディングが普及し始めたころは直貼り工法を推奨する外壁材メーカーもありましたが、多数の不具合が発生したため、2000年以降は通気工法が標準的な工法となっています。

また、直貼り工法のもう一つの問題点は、シーリングの打ち替え時にカッターなどで透湿防水シートを傷付けてしまう恐れがあることです。透湿防水シートに穴が開くと雨漏りの原因ともなりますので、メンテナンス時にも注意が必要です。

以上のことから、直貼り工法の場合は塗り替えではなく、張り替えが推奨されているのです。

劣化が激しいとクリアー塗装はできない

タイル調のサイディングボードの場合、お気に入りの模様をそのまま残すためには、透明な塗料のクリアー塗料で塗る必要があります。しかし、サイディングの劣化が著しいとクリアー塗料は使用できません。

クリアー塗装ができない場合、目地を塗りつぶす、または目地とタイル表面の色を2色で塗り分ける施工方法を行います。この色分け塗装は手間がかかるため、工事費用が高くなったり業者によっては対応していないこともあります。

そのため、クリアー塗装をご希望の場合は劣化具合を確認しながら、塗り替えタイミングの10年よりも少し早めの塗装を検討しておくのが無難です。

まとめ

サイディングのリフォームを検討している場合、塗装を行う前にサイディング外壁やシーリング、さらに屋根を調査してもらい、現状を把握することが大切です。屋根の劣化状況次第では屋根塗装も同時に行うと、足場代などの費用の節約になるからです。

そのうえで、リフォーム後の耐用年数と住宅のメンテナンスにかかるトータル費用を算出して、シーリング、塗装、重ね張り、張り替えの中から適したリフォームを選択しましょう。

長期的な視点でリフォーム内容を検討することが、結果的に費用を抑えることになると覚えておきましょう。

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