話題の遮熱・断熱塗料のメリットとデメリットを比較

遮熱・断熱塗料

ここ数年で外壁塗装の業界の話題をさらっている『遮熱・断熱塗料』。

メーカーのセールスポイントでは「室内が外気温に影響されにくく快適」という触れ込みですが、実際のところ、その実力はいかがなのでしょうか?

ここでは、話題の遮熱・断熱塗料のメリットとデメリットを比較して、導入のオススメ度合いを考えていきましょう。

1.遮熱・断熱塗料とは

ここで初めて『遮熱・断熱塗料』という言葉を聞いた人のために、遮熱・断熱塗料とは何かを説明しておきましょう。

『遮熱塗料』と『断熱塗料』は別モノ?!

遮熱・断熱塗料と一口に言っても

  • 「遮熱塗料と断熱塗料の総称」を指すのか?
  • 「遮熱性と断熱性のある塗料」を指すのか?

で大きく意味合いが異なります。

まず『遮熱塗料』とは、カンタンに言えば「太陽光を反射する性能に優れた塗料」のことを指します。一般的な塗料よりも太陽光を反射することで熱の吸収を防ぐことで、屋根が熱を帯びることを防ぎます。

誰でも、夏場の日差しが強い日にうっかり鉄製のものや鉄板に触れて「熱っ!」となった経験があるでしょう。これは鉄が太陽光によって温められ、その熱をためてしまうために熱くなっているのです。

遮熱塗料は、素地が熱を吸収しないように太陽光を反射することで屋根の温度上昇を防ぎ、快適な室内温を保てるというメリットがあります。主に暑い夏場に効果を発揮するのが遮熱塗料だと考えてください。

一方の『断熱塗料』とは、カンタンに言えば「熱を伝えにくくする性能に優れた塗料」のことを指します。
遮熱塗料は反射によって熱を逃がしていましたが、断熱塗料は熱を反射しない代わりに熱をためこみ、室内に伝わらないようにします。このような性能を「熱伝導率が低い」といいます。

例えば、ステンレスでできたコップ。熱い飲み物は熱いままで、冷たい飲み物は冷たいままで、外側と内側の温度差をキープしてくれますよね。これと同じ原理です。

断熱塗料は、一般的には夏の暑い日差しを防ぐ効果は遮熱塗料に劣りますが、室内で温まった空気を逃しにくいので主に冬場に効果を発揮します。

『遮熱・断熱塗料』は両方のイイとこ取り?

さて、外壁塗装業界を騒がせている『遮熱・断熱塗料』ですが、これは遮熱塗料のことでも、断熱塗料のことでも、これらを引っくるめた総称のことでもありません。

遮熱塗料と断熱塗料の両方の性能を兼ね備わった塗料、それが『遮熱・断熱塗料』です。

現在、実際に遮熱性と断熱性を備えた有効な塗料は、この2つが主流です。

  • 株式会社日進産業が販売している『GAINA(ガイナ)』
  • NanoPhos-Japanが輸入販売している『サーファペイント』

現在「遮熱・断熱」をうたっている塗料の多くが、実際には遮熱または断熱の効果しかなく、もう一方の効果は全くない、またはごく低いものとなっています。

遮熱と断熱の両方の効果を十分に発揮するにはメーカー側の特殊な技術が必要とされており、例えばGAINAは国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構、略して『JAXA(ジャクサ)』がロケットの先端部を断熱するために開発した技術を応用しています。

サーファペイントも、中部大学工学部教授の監修の下、度重なる化学的な実験と検証が繰り返された上で効果が実証されています。

人類の叡智と科学の進歩が生み出した特殊な塗料のみが『遮熱・断熱塗料』と名乗ることができるのです。

2.遮熱・断熱塗料のメリットとデメリット

遮熱・断熱塗料は、外壁塗装業界としては現在のところ最高レベルに君臨する塗料です。
ただし、どんな住宅でも導入すれば最高の効果が得られるというわけではありません。

どんな高級な塗料でも、素地との相性、住宅の特性にマッチしていないと効果が半減してしまいます。
メリットとデメリットを十分に理解した上で導入しましょう。

室内温の差は6℃〜7℃?!遮熱・断熱塗料のメリット

遮熱・断熱塗料の最大のメリットは「室内温が外気温に影響されにくくなる」という点です。

夏の暑い日は日差しを反射して屋根が高温になるのを防いで室内に熱を伝えないようにし、冬の寒い日は室内で温もった空気が冷たい外気によって冷やされるのを防いでくれます。

冷暖房の効果が最大限に発揮されるので、遮熱・断熱塗料を施工した住宅では冷房の設定温度を上げたり、暖房の設定温度を下げても十分な快適性を保持できます。

光熱費のカットに頭を悩ませているご家庭には、目に見えた効果が期待できるのでオススメです。
「夏は涼しく、冬は暖かい」を実現してくれるうえに家計にも優しいのが遮熱・断熱塗料なのです。

ガイナの性能実験では、夏の暑い日に屋根に塗布し、未塗布面との温度差を検証。表面の温度差はなんと20℃を超えるという驚きの結果が実証されています。

サーファペイントも中部大学による検証で外気温と室内温の差が6℃から7℃という結果となり、遮熱・断熱塗料を塗装した住宅の室内が非常に快適であることを裏付けました。

「汚れに強い」ことも大きなメリットです。ガイナは帯電性がない、つまり静電気が発生しない性質を持っているためチリやホコリが付着せず、サーファペイントは水分透過性0%に加えて親水効果や光触媒による自己洗浄効果も持っているため、いずれも汚れに非常に強いという特性を持っています

屋根や外壁が汚れに強いということは、外見上の美しさを保持する効果はもちろんですが、遮熱・断熱性を維持し、住宅の寿命を延ばす効果が期待できます。

通常の塗料と比較すると耐久性が2倍から3倍もあるため、しばらくの間は塗り替え不要だと言われています。

「安全性の高さ」も魅力的です。ガイナはシンナーなどの有機溶剤を使用しない水性塗料で、室内用のものであれば外部機関による高い安全性が確認されています。

サーファペイントも、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドなどの有害物質を徹底的にカットした水性塗料で、室内でも安心して使用できる仕様です。

壁に塗装することで室内温を快適に保持することもできるのが、遮熱・断熱塗料の特性の一つなのです。

このほかにも、ガイナは結露防止・防音性の高さなどが、サーファペイントではコーキング性の高さ・耐アルカリ性の高さなど、それぞれ特有のメリットがあります。

価格が高い?遮熱・断熱塗料のデメリット

これをデメリットと言ってもいいものかどうかは疑問ですが、遮熱・断熱塗料は「価格が高い」のが特徴です。

施工する塗装業者の仕入れ価格に影響されますが、最もスタンダードなシリコン塗料と比較すると約1.5倍程度の施工費用がかかると思ってください。

とはいえ、一般的に外壁塗装で使用される塗料のうち最高ランクに位置するフッ素塗料も同じくらいの価格になるので、一概に「遮熱・断熱塗料は高い!」と言い切ってしまうことはできません。

「良いモノだから少々は値が張っても当然」というレベルでしょう。

「ツヤが抑えられている」ことが気になる方は多いと思います。外壁や屋根の色ツヤは、主成分となる『樹脂』や『添加剤』によるもので、安全性を重視している遮熱・断熱塗料は有害物質をカットしているため、ツヤが抑えられています。

カラーバリエーションはある程度豊富に用意されていても、ツヤは一般的な塗料と比べると抑え気味になるので、施行直後のピカピカとした仕上がりはあまり期待できません。

ただし、一般的な塗料のツヤは年数が経つごとに褪せていきます。もともとツヤが抑えられている遮熱・断熱塗料のほうが「色褪せしていない=長持ちしている」と感じるでしょう。

3.塗装業者に遮熱・断熱塗料を勧められた!どうする?

外壁塗装の見積りを業者に依頼したところ

  • 室内の快適性がバツグンに良くなりますよ!
  • 塗料自体の耐久性が2倍から3倍はあるので、30年以上は塗り替え不要ですよ!

などと遮熱・断熱塗料の使用を勧められたとしましょう。あなたはそんな話を信用できますか?

このようなセールストークは明らかな『オーバートーク』です。

確かに遮熱・断熱塗料を使用した住宅からは「快適になった」という声が寄せられます。特に、2階建住宅の2階部分にある部屋などは、うだってしまうような暑さが和らいだという感想が集まります。

ただし「劇的に快適になる」というほどではないことを覚えておきましょう。遮熱・断熱塗料を販売している各社の実験は、主に工場や店舗などの屋根で行われていることが多く「最大で20℃の差が」という実験結果も一般住宅には通用しないケースが大半です。

外気温と室内温の差の実験も、実際の住宅ではなく住宅を見立てた箱で行われています。実際の住宅になると、屋根や外壁の素地の違い、日照時間や風量などの自然環境の違い、周辺の住宅やビルなどによる日陰の発生などの周辺事情の違いなどにより、実験結果ほどの効果は期待できません。

効果があることは間違いありませんが、あくまでも実験は実験であり、実際のところは「確かに違いを感じるな」という程度だと認識しておきましょう。

また「耐久性が高いので、しばらくは塗り替え不要」という塗装業者は信用しないほうが良いでしょう。
確かに遮熱・断熱塗料は高い耐久性が認められていますが、塗り替えが不要になるわけではありません。

どんなに耐久性の高い塗料でも、15年前後で塗り替えが必要です。「耐久性が高い=塗り替えが不要」ではありません。耐久性が高いことで、15年なら15年の間は高性能を発揮するという意味です。遮熱・断熱塗料を塗装したとしても、どんなに最長でも20年に一度は屋根・外壁の塗り替えが必要です。

遮熱・断熱塗料は、一般住宅に施工されるようになってまだ10年も経っていません。メーカーが「20年は塗り替えが不要」と言ったり塗装業者が「30年以上は塗り替え不要」と言っても、それは実験などに基づくセールストークです。

実際に20年経っても、30年経っても遮熱・断熱塗料の効果や美しさが保持されているという実例は0件だということは、みなさんが知らない事実でしょう。

周辺の自然環境や住宅事情、施主の意向などを大してくみ取りもせずに、ただ「遮熱・断熱塗料がオススメですよ!」と言ったり「この先数十年は塗り替え不要です!」などと言ってくる塗装業者は、遮熱・断熱塗料の施工を理由に高額工事価格を請求する悪徳業者であるおそれが大です。

4.遮熱・断熱塗料のメリットとデメリットを比較のまとめ

遮熱・断熱塗料は、一般的な塗料と比較すると住宅を快適にする効果が高く、光熱費の削減に関しては目に見えた効果が期待できるという点では、遮熱・断熱塗料の導入は強くオススメできます。

ただし、実験結果だけを信用して劇的な効果を期待することは危険です。悪質な塗装業者であれば、遮熱・断熱塗料の施工を理由に相場よりも高い工事価格を提示するかも知れません。

いくら良い塗料を使っても、悪質な業者では正しい施工方法に従わないおそれもあります。

もし、今回の記事を読んだ結果「ウチも遮熱・断熱塗料を導入したい!」という結論に至った場合は、必ず遮熱・断熱塗料の施工が可能な塗装業者をいくつかピックアップしたうえで、複数社から見積りを取得する『相見積り』で業者を比較して決定しましょう。

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